涼しい家の基本を沖縄民家に学ぶ

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2016年2月8日

中村家とは
 18世紀中ごろに建てられてた伝統的な沖縄民家。国の重要文化財。
北中城村字大城106  那覇市より車で35分

風を選んで通す、ふく木
 台風銀座の沖縄の住まいには、台風対策が第一に考えられてきました。
琉球石灰岩の岩垣をめぐらし、屋敷林で四方を囲います。その屋敷林で使われる木は「ふく木」といわれる肉厚の葉が密集した木です。

 「ふく木」は抵抗の大きい台風のような強い風は通さないけれど、抵抗の小さな風速5メートルくらいの緩やかな風は通します。暴風と通風を兼ね備えた優れもの。エアコンその上、葉が密集しているので遮熱効果も抜群です。

 ふく木で建物周辺の遮熱を行い、緩やかに通風を促す。・・・建物そのものより、周辺から遮熱することの大事さを感じます。

屏風とは
 路地と屋敷内の間に衝立のように存在する壁を屏風(ヒンプン)と呼びます。
内部の目隠しと魔除けを兼ねたような存在で、屏風があることで家を開け放つことができ、風通しの良い住まいになります。

おおらかな間取りの清々しさ
 生村家はトートーメ―(仏壇)のある二番座を家の中心に、東に客間である一番座、西に台所、仏壇の裏にクチャ(裏座)という構成。
その回りを緩衝領域(バッファーゾーン)のように緑側が取り囲んでいます。
祖先を中心にその廻りで暮らす形を素直に、単純に表現した間取りといっていいでしょう。

 一本、芯が通っていて、後はおおらかにゆったりとした空間、エアコン昔の民家です。視界が広がり、風の抜けるおおらかな間取りは涼しく住むためのベースとなるモノのようです。

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