南の下屋はヒーターになってしまう。続

2016年2月15日

 そうは言っても1階の日射遮光など、下屋を出さざるを得ない事情もあるでしょう。エアコンそんな時は屋根材を反射率の高い、明るい色にするか、大きめな落葉樹を下屋の前に植える。あるいは南以外の通風ルートを確保するなどの工夫が必要になります。
建物周りを暖めない、蓄熱させないことが涼しい街づくりのポイントです。

排熱の工夫―――ソーラータウン
 夏は上下換気で熱気を室内にため込まない。
冬は太陽エネルギー利用で床から暖める。

 「見えない空気と熱」がデザインされ、自然素材に包まれ、ベーシックなデザインの全19戸の分譲住宅です。造成段階から植栽を配置して建物周辺の微気候を整え、建物周辺から涼しくしています。
外壁はガルバリウムの波板を利用して熱気を屋根面で抜き、遮熱を図っています。内壁には調質性の高いシラス壁「薩摩中霧島壁」を塗っています。

ソーラータウン。どの家も通りから少し退いて植栽を優先している。
開閉できるトップライト。階段を排熱塔として利用し、室内の熱気を屋根レベルに抜く(近所に熱をばらまかない)。

階段上部の熱気を小部屋裏へ抜くための無双窓をロフトに設けた。

2階リビングの階段の引き戸。これは子供の転落防止と、冷房をする場合、下足に貯まった空気を逃さない工夫。

まちとのほどよい距離――――屏風ハウス

 沖縄に民家に見られるエアコン「屏風」を都会の住まいに取り入れた例です。
 ヒンプンで適度にプライバシーを守りつつ、大きく開放できるすまいができ遮熱と視線を遮るための植栽を配置し、2階を大きく張り出すことによって屋根レベルで日射を、建物周りから涼しくする工夫をしています。

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