どんどん熱くなる室内

2016年2月5日

 真夏、ふと気づくと、外より室内の方が温度が高いことがあります。おおよそ、2℃くらい高いようです。
かつて、夏を旨としてつくられてきた日本の家はどう変わってきたのでしょうか。

 室内が熱くなった理由は、家の断熱と気密が良くなってきたこと、それと発熱する物に囲まれて暮らすようになったことがまず考えられます。
 周囲を見廻しても、冷蔵庫、炊飯器、テレビ、ビデオ、パソコンに照明、留守番電話・・・それから人間も一人あたり60~100Wの電球に匹敵する立派な発熱源です。

 冬の暖かさや省エネを考えると家の断熱をしっかりすることはもちろん大切です。断熱・気密の良い家は、夏、日中の日射を遮り、排熱の工夫を怠ると、熱源がたくさんある室内は、とたんに熱源がたくさんある室内は、とたんに熱がこもりやすくなり、暑い家になります。

 現代の家づくりはエアコン高断熱・高気密・そして冷房の効率を上げる方向で進んでいます。これは冷房機器で取り去った室内の熱をご近所にばらまいて、近隣全体の温度を上げることにもなります。
 室内外の過剰な熱源について、今一度考えてみる必要があるようです。

涼しい家の基本を沖縄民家に学ぶ

 涼しく住むための工夫を学ぶなら、やはり暑い地方の住まいのあり方を見てみたいもの。沖縄の民家も今でこそ、ほとんどコンクリートになってしまいましたが、かつては木造が中心でした。

 現存する数少ない、本格的な木造民家が中村家です。
そこに見る手法は涼しく住むための基本が忠実に具現化されているといってもいいかもしれません。
そこには、エアコンなつかしさを呼び起こすような生活のためのディテールがいくつも見受けられます。
その中から涼しく住むための小さな工夫をいくつか紹介しましょう。

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