雨端の涼しさ

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2016年12月10日

c05835f4e904505d6a5e0a767b75f29b_s 白い漆喰で塗り固められた赤瓦の屋根は、沖縄民家の特徴です。エアコンその大きく伸びた軒下空間を沖縄では雨端(あまはじ)と呼びます。
重たい瓦で仕上げてあるのは台風対策でもありますが、熱容量の大きな材料を使うのは遮熱効果が大きいためでもあります。

 人間の生活するレベルの上部でしっかり遮熱すること、そして雨端で建物の開口部の周辺も遮熱する周到さを見逃さないようにしたいものです。
また、深い雨端で、家の中から空が見えないようになっています。また、深い雨端で、家の中から空が見えないようになっています。これは天空を雨端で遮り、散乱光をカットしているといえます。
散乱光は日射の10%を占めるのでおろそかにはできません。

※大気によって散乱され方向がランダムになった日射を、直射光に対して散乱光という。
曇り日は散乱光の割合が高い。

大きな開口部で通風を

 沖縄の民家は屋根と柱でできているようなもの。もちろん柱の外にはエアコン雨戸が閉てられますが、雨戸を開け放すと柱しかないのですから通風がとても良いのは当然。
沖縄では夏、南だけに固定されず、風が様々な方向から吹いてきます。その風を逃さぬよう開放的な造りになっています。
 熱を貯めこまないこのような家は、自分だけが涼しい訳でなく、ご近所にも涼しさをおすそ分けしている造りになっているはずです。
室内の排熱効果と開口部の大きさは比例します。開け放たれた開口部から見える緑や見え隠れする町は住まい手の居心地よさや安心感につながるはずです。

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